もっと超越した所へ。見てきて、今俺は、どうしても感想文が書きたい!!!
全員クズ男と称されてたし、恋愛映画との相性はモノによっては結構悪かったりして、イライラして、後味の悪い感じになったら嫌だなぁとは薄々思っていたんだけど、これは面白かった!
ひとくちに「クズ男」というけど、クズっていうのは人間らしさとも言えるし、いや、これはわかるなあ、自分もやっちゃうなぁと立ち返る部分もあって、千葉ちゃんが舞台挨拶で「鏡みたいな作品です」って言ってたのが、まさに!腑に落ちすぎて、ライビュ会場で一人大頷きした。
それこそ、自分にとって「鏡」だと感じたのはトミーで。相手から、自分に対しての好意を感じるけど、それに応えもせず、ただ優しさに漬け込んで甘えてしまったことが過去何度かあったなぁ、と、大反省会でした。
人から好きになってもらえることがないと思ってるから、滅多に起きないことの優越感に浸ってたのかも。誰かの好意を受け取るのもまた、難しい。優しさってなんだろうって思っちゃった。
でもトミーの状況っていちばん難しいなとも思った。それこそLGBTに当てはまる彼だったら、好きだけど好きだと言えない状況が、過去あったかもしれないし。でも彼がLGBTなのであれば、そういうところに発想が飛びそうなもんだし、あまりにも無神経ではあったか。いや、でも、それは鈴ちゃんも同じだし。むず。このカップルがいちばん、解決が難解な気がした。
でも、そんなトミー然り、泰ちゃん、慎太郎が持ってたのは、人間らしくて、ある意味かわいげのある「ダメポイント」だと思ったけど、玲人くんだけは、理解不能だった。逆に、どうしたら玲人くんみたいな男を好きになれるのか、真知子ちゃんに問いたい。笑
私は、自己肯定感が低いことも含めて、そんな自分のことが好きなんだなと最近思い始めているのだけれど、そんな自分のことを誰かが好きになってくれるわけがないとも思ってるので、恋愛って本当によくわからない。好きって、一体何?状態。
だから、急に転がり込んできた男に真知子ちゃんみたく本気で怒れるかって言わたら、無理かも。そこまでの感情が湧かない。ただセックスするだけの相手になってる。というか、自分だったら、自己愛に溢れてるから相手が自分の生活に口出してくる時点で、もう追い出している。
あの二人の関係性がいちばんよくわからなかったな。お互いに、好きの所在がどこにあるんだろう。何かを飲み込めば、お米持ってくれるから一緒にいようかな。って。恋愛ってそんな次元の行為なの?それって「好き」なの?結局寂しいだけなのかな。
玲人くんは理解できなかったから「ムカつく!」とかはなくて、登場人物でいちばんムカついたのは泰ちゃん。あそこまでぶっ飛んで自分本位なのにどうやって美和と付き合えたんだろう。もはや付き合うまでの経緯が知りたい。笑
冒頭は、彼女が健気で、彼氏もバカで、可愛いカップルだなぁと思ったし、公開前のインスピレーションでは、このカップルがいちばん好きかも?とか思ってたのに、大裏切られでしたとさ。(この映画においてのこのコメントは、超褒めてる)
自分本位で言い訳ばっかり。自分を中心に世界まわっとんか?本当にムカつく!でも思い返せば、「今一緒にいたら言っちゃいけないことも言っちゃいそう」ってセリフ、すっごく共感してしまった。優しいじゃんって思っちゃった。でもここから更に喧嘩が発展していくんだよね。
やたらムカつくのって、もしかしたら、自分を見ているようで、なのかもしれない。冷静になりたいから、一度、離れる。私がよくやるやつ。でも美和はあの場面で一緒にいて欲しかったんだもんね。不安だから離れたくなかった。相手を思っての行動に見せかけて、それが余計に、泰ちゃんを「自分本位」に見せている。
そりゃ誰だって自分がいちばん可愛いと思う。でもそう思わせないように、それを悟られないように擬態してみんな生きてるんじゃないかなって思うのよ。「今一緒にいたら言っちゃいけないことも言っちゃいそう」ってセリフは、きっと共感する人が多いと思う。相手を思いやってるように聞こえるから。でもこれって「自分が」冷静になりたいだけの自分本位なんだっていう、ある意味気づきになったかも。擬態しているようで、擬態じゃなかったんだ。
泰ちゃんだってきっとそうなんだろうね。自分本位発言の後に必ず言い訳が付いてくるのは、擬態をしようと頑張ってたんだ。あーそう思うと、可愛げがあるなぁとも、思えてしまう不思議。あんなにムカついてたのにね。
ストーリー性・結末・映画を見て何を思ったかってところにしっかりフォーカスするとモヤモヤは残るのかもしれないけど(これは書いていて思った)、喧嘩した時間を巻き戻してハッピーエンドにさせるというパワープレイのエンディングが最高に面白くて、それだけで結構好きになった笑
小説買ったので、読み込んでもちょっと腑に落としたいな。